こんにちは、はえおーです。
今回は”デュビアの餌と嗜好性”について、個人的に思う事を記事にしたいと思います。
というのも過去に受けた質問の中で、「デュビアの餌食いが悪いんだけど、どうすればいいか?」という旨の内容が結構多かったりしたからです。
まあ正味、普通に飼育するだけなら市販のラビットフードと野菜クズを与えてるだけで問題は無いとは思うのですが、与える餌の種類や方法によっては悩みのタネになる事もあるようでして。
餌食いの善し悪しは成長速度や繁殖効率にも大きな影響があると個人的には思っていますので、繁殖を頑張っている人側からすると無視できない問題でもあります。
そこで今回は経験則内ではありますが、個人的にデュビアの嗜好性を高める要素や方法なんかをご紹介していきたいと思います。
デュビアの餌食いに悩んでいる方や興味がある方は是非見ていって下さいね!
嗜好性を左右する要素とは
デュビアの嗜好性の善し悪しを決める要素についてですが、これは結論から言うとズバリ「匂いの強さ」だと個人的に思っています。
よく”デュビアは草食傾向が強い雑食性”と言われます。
しかしいくら植物食を好むといっても、香りの弱い草食性フードを爆食いする事は余程飢えてない限りほぼ無いです。
代表的な所で言うと、水分の抜けた葉菜類(キャベツ・白菜など)や動物性たんぱく質を含まない粉末フード(鳥類用飼糧など)なんかが当てはまります。
逆に匂いが強いのであれば、動物性たんぱく質だろうが全然食べます。
またデュビアの餌として代表的なラビットフードも各メーカーの商品によって嗜好性に若干差が出る事がありました。
主成分である牧草独特の青臭さが強ければ強いほど食い付きは高くなる印象です。
ただし、いくら匂いが強くともデュビアが好まない匂いもあります。
自身の経験則内で言うと”シナモン系やそれに近い香り(ハッカなど)”と、”レモンなどの柑橘系の香り”は苦手なように感じました。
思うに”抗菌作用の強い成分に含まれる香り”や、”油を分解する成分に含まれる香り”は本能的に避けているのではと思います。
餌の匂いを強める方法
では次に餌の匂いを強めるにはどうするかですが、これは非常に簡単な方法があります。
それは「餌に水分を含める」事です。
元々多くの水分を含んでいる生野菜などにこの方法は使えませんが、乾燥・粉末系のフードを水で濡らすと元々の匂いがかなり強くなります。
これは”餌の持っている匂い成分が水分に溶けて空気中に揮発する為”だそうです。
これを利用すると餌食いが格段に良くなります。
またこの方法の利点として、餌と一緒に水分も摂取出来る点です。
実はデュビアは水のみを用意しても積極的に水分を摂取しない事があります。
昆虫用の専用給水機や、カップケースと綿を利用した自作給水機などがありますが、それらを利用しても積極的に飲みに来ない個体が多いです。
これに関しては自分の憶測でしかないのですが、考えられる理由としては
- 水だけでは匂いが薄いのでデュビアが感知しづらい。
- デュビアは食物から同時に水分を摂取するのが主で水単体を摂取する事が少ない。
のどちらかでないかと思います。
そんなこんなで一応気になったのでこんな実験をしてみました。
上記は左から、”普通の水”・”バニラエッセンスを加えた水”・”乾燥焼き麩”・”水を含んだ焼き麩”の4つです。
これをデュビアに与えた時にどういう反応をするか試してみました。
実験開始から約10分後…
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上記画像を見ると、一番右の”水を含んだ麩”にデュビアが一番集まっているのが分かります。
次いで”乾燥焼き麩”、そして”水”と”バニラ香料入りの水”にはデュビアはほとんど集まってません。
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最終的に水+麩が一番最初に食べつくされ、その10分後位に乾燥焼き麩が無くなっていきました。
2種類の水単体系に興味を示すデュビアはかなり少ない結果となりました。
上記結果からやはり水分を含んだ餌の方が嗜好性が高い事が分かります。
少し意外だったのは”バニラエッセンス入りの水”にほとんど集まってこなかった事です。
これは多分ですが、バニラエッセンスに多く含まれる”エタノール”をデュビアが避けたのではないかと推測しますがどうなんでしょうか…?
一般的にローチ類は甘い匂いを好む性質がありますが、単に匂いだけを最優先する訳でも無いようですね。
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水分給餌のデメリット
ただし前述の給餌方法にはいくつか気を付けるべき点があります。
それは主に以下の2点です。
- 糞と共に余分な水分が排出される為、糞が湿って臭くなる。
- 排出された水分によってゲージ全体の湿度が高くなりがち。
まず①についてですが、糞が水っぽくなる為にニオイがかなり強くなります。
デュビアの糞が梅雨時などの湿度が高まる時期に湿気を吸って臭いがキツくなるのは有名ですが、それを地で行く感じになります。
また紙製のシェルター(紙製卵パックなど)を利用している場合、湿った糞の水分を紙が吸い込む事で汚れやすい上、シェルターそのものにも臭い移りします。
湿気が無くなるにつれニオイは緩和されますが、再度湿気を吸うとまた臭くなりますので普段以上に定期的な交換が必要になります。
次に②ですが、これが時に深刻な問題を引き起こす事がありまして、管理状況によってはデュビアが死ぬ可能性があります。
湿度が多少高まった程度でデュビアに大きな影響が出る事は少ないのですが、気温が高まりケージ内部で蒸れが生じたら危険信号です。
そうなると弱った個体から次々と連鎖的に死んでいきますので、最悪大量死する事もあります。
これを防ぐには”餌に含める水分量をきちんと調整する事”や、”ケージ内部に空気が籠らない工夫”をする必要があります。
例えば通気性の高いケージとシェルターを使用したり、空調やパネルヒーター等でケージ内に気流を作ったりと方法は色々ありますので、現環境と相談して個人の最適解を探してみて下さい。
以上、”デュビアの餌とその嗜好性を上げる個人的な方法と考え”になります。
結論、「ただ水に濡らす」という大した事無い内容にがっかりした方も多いかと思いますが、意外と盲点になってた方も居るんじゃないかと思います。
というのも冒頭に書いた、自分に相談してきた方達のほとんどが粉末系フードをそのまま与えるスタイルだったからです。
もしその給餌スタイルでデュビアの餌食いに悩んでいる方は、一度水分を含ませてからの給餌も是非試してみて下さい。
本記事がデュビアの餌食いに悩む方への参考に少しでもなれたのなら幸いです。
では、また。
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