【扁平・奇形】デュビアの累代飼育とその影響について【遺伝・体型】

体型の違うデュビア デュビア

こんにちは、はえおーです。

 

今回はデュビアの累代飼育についての考察なんかを書いてみたいと思います。

先日、とある方からこんなご質問を頂きました。

 

デュビアを繁殖する時、定期的に新しい血筋を入れないと奇形が多くなるそうですが、どの位の周期で他のデュビアを入れるのが良いんでしょうか?

 

というもの。

 

自分はこれまで新しい血、即ち累代で産まれた個体ではないデュビア”を他から入手して、意図的に全体の交配を調整するような事は行ってきませんでした。

大量に繁殖してれば遺伝上、劣勢遺伝が強く出る事もあるのでは?」位にしか考えて無かったのもあってそこまで深く考えずにいたのですが、丁度ご質問頂いた事ですしこれを機に少し考察してみたいと思います。

 

正直この手の話は遺伝学の分野という事もあって、かなり複雑かつ難しいテーマです。

 

自分はこれまで専門的に生物学や遺伝学を学んだ経験は無く、せいぜい義務教育範囲内で習う生物程度の知識しか持ち合わせておりません…。

その為、誤った知識・情報もあるかと思いますので、あくまで参考程度に見て頂けると幸いです。

 

はえおー
はえおー

いつもの考察記事同様、あくまで私個人の主観による考察でしっかりとした検証実験などを行ったものではありません

デュビア繁殖に携わっている、いち人間の考え程度に見て下さい。

 

ではやっていくっ!

※長文で見にくい部分もありますので暇な時に見る事をおすすめ致します<(_ _)>

 

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累代繁殖による影響について

 

まず初めに定期的に”新しい血”、いわゆる別血統を入れて繁殖した方が良いと何故言われるのかを簡単に整理したいと思います。

 

一般的に”デュビアを繁殖させて増やす”というのは、成熟した雄デュビアと雌デュビアのペアを掛け合わせて雌に産卵を促し増やしていきます。

そうして産まれた子デュビア達は時間と共に成長していき、最終的に同じく育った個体(※要は兄弟個体)の♂と♀とが性成熟した段階でまた生殖活動を行い増殖していく訳です。

このように一つの血統から何世代にも渡って繁殖させていく事を、俗に「累代繁殖(若しくは累代飼育)」と呼ばれます。

 

実際上記を繰り返す事でトラブルが無い限りは半永久的に個体数を増やす事が可能です。

しかしこの累代繁殖には注意点があるとされています。

 

累代繁殖のデメリット

 

この累代繁殖というのは、遺伝的に近い個体同士での交配、つまり近親交配がずっと続いていく事を意味します。

すると普段は優性遺伝(顕性遺伝)によって表面化されない、劣勢遺伝(潜性遺伝)として存在する有害な遺伝子同士がホモ結合しやすくなる、つまり隠れていた有害な遺伝的性質が表面化しやすくなります。

そうして表面化した性質は様々ですが、一般的には奇形個体として現れたり、通常よりも免疫力や順応力、繁殖能力が低下した状態で生まれるとされています。

この現象を近交弱勢と呼ぶそうです。

 

はえおー
はえおー

優性遺伝や劣勢遺伝、ホモ結合やヘテロ結合の概要についてはここでは特に説明しません。詳しく知りたい方は「メンデルの法則」で検索、若しくはリンク先へ飛んでみて下さい。

 

この”近交弱勢”というのは主にその場から移動する事の出来無い植物間で起こる事が多いそうで、葉っぱが色素欠乏を起こし白化(アルビノ化)したり、満足に成長出来なかったりと色々な影響を及ぼすんだそうです。

上記の様な事から累代繁殖は近交弱勢によるデメリットを引き起こす要因となります。

 

※未成熟な状態で性成熟した雌個体

 

では累代繁殖による飼育はデメリットしかないのでしょうか?

実は、一概にデメリットばかりでは無いようなのです。

 

累代繁殖のメリット

 

累代繁殖のメリット、それはズバリ血が濃くなる事だと言われています。

 

これはどういうことかと言うと、遺伝子の構造が似ている為親の持つ特徴や性質を遺伝しやすく、また時にはその特徴がより強く現れたりするそうです。

例えば標準よりも巨大化した親個体同士であれば子も同じく巨大化しやすく、珍しい色素同士であればその色素がより強く出たり、といった感じです。

 

また環境対応力なんかも引き継ぐ事があるらしく、その良い例が俗に言われる「スーパーゴキブリ」です。

この「スーパーゴキブリ」というのは一般的な殺虫剤に抵抗力を持ったゴキブリの事を指す俗称で、主に集団で密集したコロニーを築く”チャバネゴキブリ”に見られる現象だそうです。

”チャバネゴキブリ”は限られたコロニー内で交配を繰り返す為、その中に殺虫成分に慣れた個体同士が繰り返し交配する事で強い抵抗力を持つ子世代が生まれる事があるとか。

 

※それぞれ姿形が異なる雌個体。

 

こんな感じに累代飼育にはそれぞれメリットデメリットがあるようです。

 

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他血統を入れる周期とは

 

 

累代飼育の良い点・悪い点がある程度分かった所で、冒頭の質問について考えてみたいと思います。

 

”デュビアの飼育繁殖には定期的に新しい血筋を入れないと奇形が多くなるそうだが、どの位の周期で他のデュビアを入れるのが良いのか?”

 

これは言い換えると、

 

近交弱勢の影響を避ける為に別血統の遺伝子個体を入れるタイミングはいつがいいのか?”

 

という内容になります。

 

これについては極端な話をすると、近交弱勢の影響を完全に避けたいのであれば種親から次世代が産まれ次第に随時、別血統の遺伝子を入れるのが理想になります。

子供世代同士が交配すると、どうしても有害な劣勢遺伝子を引き継ぎ表面化する可能性があるからです。

 

しかしデュビアを繁殖している方のほとんどは餌として活用する事を目的にしているはずです。

子供が生まれる度に別血統を購入するようならそもそも繁殖する意味がありません。

ではどうするのが理想なのかというと、

 

 

 

 

ぶっちゃけ分かりません!\(^o^;)ワカリマセヌ!

 

いや、すみません、これ色々自分なりに調べたんですけど、この答えを明確にしている記述はゴキブリ関係の専門書籍を読んでみても見当たらず、かと言ってここから先を自分で導き出すにはかなりの専門的知識と相応の経験が必要でして、はっきり言って僕には無理ゲーでした。

 

なので一応自分なりに調べた上での考えを言うのであれば、種親から子の4~5世代目辺りで他血統を混ぜる位が丁度良いかもしれない、という感じです。

理由としては”優劣の法則”では3世代目にて全体の4/1、劣勢遺伝子の特徴が表面化する事になっています。

ただその時に表面化した劣勢遺伝子が、全て有害な劣勢遺伝子とは限らないように思います。(多少は出てくるとは思いますが。

目に付き始めるのはやはり劣勢遺伝子型が出始め、そこからさらに交配が続くその次世代以降(4世代目以降)になるのではないか、と思うからです。

 

またゴキブリとは違いますが、カブクワの累代飼育に於いては5世代目以降に近交弱勢の影響がちらほら見られる、という情報も見かけました。

そもそもの種類が違いますから同等とはいきませんが、昆虫という共通点に於いては多少は類似点もあるのではないでしょうか。

 

根拠にしては弱すぎますが、上記の理由から他血統を入れるのであれば4~5世代目、デュビアの性成熟を半年とするなら2~3年周期で他血統を入れてけば、ある程度”近交弱勢”の影響を抑えられるのではないかなと予想しています。

 

カサカサ┌(┌ ^ο^)┐┌(┌  ゚Д゚)┐オメェゴトキニワカルカ、ダボ!!  (^ω^;ꐦ)ピキ

 

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他血統を入れる必要性について

 

 

他血統を入れる最適なタイミングについて、しっかりとした裏付けも無い答えで大変申し訳ありませんでした。。。<(_ _;)>

先の結論を採用するなら自分なんかは早急に他血統を追加した方が良いのかもしれません。

ただですね、ここまで書いといてなんですが、個人的には他血統を混ぜていく必要性はそこまで高く無いのでは?という考えもあったりします。

 

確かに”優劣の法則”などに当てはめて考えた場合、混ぜた方が良いのは間違いないでしょう。

しかし他血統を定期的に入れても近親交配自体は続いていく訳で、いずれ有害劣性遺伝子が表面化した個体というのはほぼ確実に発生すると思います。

初めに書いたように”常日頃から定期的に補充”、若しくは”数年に一度は大幅な入れ替えを行う”とかなら別ですが、数年に一度多少補充する程度でどの位の効果が出るのかははっきり言って不明です。

 

それに有害な劣勢遺伝子が全体を危機に晒すほど、強い影響を及ぼす事は少ないのではないか?とも思うのです。

 

有害遺伝子が表面化した個体は長生き出来ないのでは?

 

有害遺伝子の特性がモロに出た個体と言うのは、奇形であったり、環境に対して適応力が低かったり、成長の遅い未成熟な個体だったりします。

これまで累代飼育を続けてきた経験上、そういった個体は早死にしている事がほとんどです。

雄の場合は大抵他の個体に体中齧られてボロボロになって、無残な最期を迎えている事が多いです。

また雌の場合は成虫になっても小型で未成熟のまま死んでしまっているか、交配して卵鞘を出してもそのまま壊死するまで卵鞘を出したままになっていたり、若しくは落としたりで産卵に失敗している姿を多く見かけます。

要はそういった有害な遺伝子は自然と次世代に伝わらずに死滅していきやすいように思えます。

 

※大きく成長する事無く死んだしまった雌達。こういった個体は短命な事が多いです。

 

大小関係なく密集する姿を見るとデュビアはコロニーを形成するタイプのゴキブリと言えますし、共食いも少ないゴキブリです。

故に成熟すれば交配する機会はほぼ必ずあるでしょうし、生涯の産卵回数と一度の産卵数にも恵まれているデュビアは一生の内に多くの子を残す事が出来ます。

劣性遺伝の個体が表れたとしてもその数以上に優性遺伝も生まれる訳で、元々の全体数が多い中に多少劣性遺伝子が出てきてもコロニー内に於いて深刻な影響を及ぼす事は少ないように思えます。

近親交配にて大量に増殖していく中で、血をより濃く受け継ぎ環境適応力に優れた強固な個体は生き残り、そうではない個体は自然と滅びゆく形になっているように感じます。

 

※小型かつ卵鞘が出っぱなしになっている雌個体。大抵の場合、卵鞘は再度体内に収まる事無くこのまま壊死します。

 

そもそも餌なんだし・・・

 

これをいっちゃ身も蓋もありませんが、

 

餌用に繁殖する訳ですから多少奇形だろうが未成熟だろうがあまり関係ないんじゃないでしょうか?(爆

 

カブクワとかと違って鑑賞する訳でないなら、そもそも見た目を気にする理由がありません。

唯一気になるのが繁殖力の低下という部分ですが、今の所デュビア関連でそういった話を聞いた事が無いし、自身の経験からもそれを感じた事は今のとこありません。

繁殖しなくなるのは非常にマズイのでこれが起き始めたら早急な対応が必要ですが、それまではあまり気にしなくても問題無いように思えます(ぇ

劣勢遺伝子体だからって食べたペットに悪影響が出る事は無いですので、あんま気にしなくていいんじゃないかなって。

 

…ダメですか?

 

カサカサ┌(┌ ;^ο^)┐┌(┌ ; ゚Д゚)┐ヒラキナオッテンジャネーゾ!コラ!!   (^O^*)

 

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最後にまとめと扁平体型について

 

さて今回はデュビアの遺伝について自分なりに考察してみました。

後半はちょっと投げやりな形になってしまって申し訳ありませんでした。

ちょっと普段使わない脳みそがオーバーヒートしそうになったので、これ以上考えるのはヤメにして自分なりの結論に入らせて頂きます。

 

  1. 累代繁殖を続けると近交弱勢の影響が出る為、気になるなら別血統を入れた方が良い
  2. 入れるタイミングは2~3年に一回、若しくは全体の2割以上に奇形などが見られた場合

 

後は研究者や学者さん達の研究が進み、さらに全容が解明される日を待つとしましょう。

 


 

 

最後にデュビアの扁平体型に関連した画像を紹介して終わりたいと思います。

よく扁平は遺伝するとかで扁平体型を有害遺伝子扱いされる事がありますが、全ての扁平個体が遺伝子の影響によるものではありません

確かに扁平に近い体型で生まれてくる個体も居ますが、脱皮直後や栄養・水分不足に陥ると健康個体でも一時的に扁平状態になります。

そういった個体は再度栄養を蓄えていくと元の体型に戻りますので、扁平個体を見かけてもすぐに処理せず様子を見る事をおすすめします。

以下画像はそんな個体の一例になります。

 

その1、

① 脱皮中の個体

② 脱皮直後

③ 約1時間経過後

④ 約3時間経過後

⑤ 約5時間経過後

⑥ 約6時間経過後

⑦ 翌日の様子 ※脱皮の皮は栄養補給の為か食べられていました。

 

その2、

扁平状態の個体のみで集めたケージ。

 

この後、集中的に餌を毎日1週間続けて与えてみた結果・・・

 

扁平状態から回復していく個体群

画像では少し分かりづらいですが、身体に厚み出てきています。

 

この後ほぼすべての個体が通常の体型に戻っていきました。

では、また。

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