こんにちは、はえおーです。
爬虫類用ヒーターの定番”暖突”。
遠赤外線を上部から放射する事で、ケージ内全体を暖める事で有名な上部ヒーターです。
その有用性から爬虫類のみならず、他のエキゾチックアニマル飼育にも幅広く使用されています。
かくいう私も”暖突”を愛用している飼育者の一人です。
そんな”暖突”ですが保温器具ですのでケージ内温度を調節する為に、サーモスタットと併用して使用している方が多いと思います。
でも実は、暖突とサーモスタットの併用はNGな事、知ってましたか?
それは販売メーカー(みどり商会)の取扱説明書にきっちり記載されていました。
恥ずかしながら私はつい最近まで知りませんでした。。。(゚ー゚;Aアセアセ
しかも注意文をよくよく見てみると、”過剰防止のサーモが本体に内蔵されている”という説明がされています。
またその後の一文にこうも書かれています。
「過剰防止システムはケージ内をお客様各々の異なった希望温度に調整するためのものではなくまた、急激な温度変化には対応できない場合もありますのでご注意ください。」
つまりあくまで内蔵されているサーモスタットは、温度が過剰に上がる事を防ぐためのものでケージ内温度を調整するものでは無い、という事です。
そうなると爬虫類などの変温動物は外気温の影響をモロに受ける為、ケージ内の温度調整が出来ない保温器具は爬虫類飼育に於いて致命的です。
また「温度が過剰に上がる事を防ぐ」といっても、何処が何℃位になれば過剰防止システムが作動するのかもよく分かりません。
個人的には、過剰な温度上昇が怖くて外部式サーモスタットを使用している部分も大きいので、そこに明確で無いまま使用するのは不安が残ります。。。
「外部サーモ無し」という本来の使い方で保温器具としての役割を果たす事が出来るんでしょうか?
そこで実際にメーカーが推奨する方法(外部式サーモスタット併用無し)で使用した場合、ケージ内温度はどうなっていくのか試してみる事にしました。
ちなみに”暖突”のパッケージ裏には設置場所から距離別の目安温度が記載されています。
しかし検証環境が良く分からないのであまり当てには出来ません。
やはりここは実際に調べてみるにこした事はないですね。
今回は「9045グラステラリウムに暖突Lを使用する事」で検証してみたいと思います。
上記画像が検証環境になります。
温度計は3つ同じものを用意し、背面のガラスへそれぞれ位置を変えてセンサーを取り付けました。
左の温度計1は”ケージ底面付近“
中央の2は”背面高さ中央位置“
右の3は”ケージ上部の暖突に最も近い位置“へ設置します。
また温度計は念の為に新品を用意しました。
それでは早速検証していきます!
まず、いつも使用しているように「外部サーモあり・27℃設定」の場合。
・・・約10分後。
サーモスタットの熱センサーが27℃を感知した事で通電が切れた直後の温度です。
①=27.1℃、②=27.9℃、③=29.7℃ です。
サーモスタットの熱センサーは①とほぼ同じ位置のケージ底面付近に設置していますが、しっかり設定している温度になっています。
それでは次に問題の「外部サーモ無し」の状態で検証してみます。
・・・約10分後。
①=27.3℃、②=28.3℃、③=30.3℃
約10分という同一時間という事で「サーモ有り時」と同じような温度になっています。
ここからどの程度の差が出てくるのか…?
・・・さらに約10分後。
①=28.3℃、②=29.6℃、③=32.2℃
予想通り、温度はさらに上がっています。
まだ暖突に内蔵されているという温度過剰上昇防止用のシステムは作動しないようです。
まだまだ温度は上がっていきそうだったので、このまましばらく放置する事に。
・・・そして約1時間後。
①=30.2℃、②=32.0℃、③=35.3℃
その後約1時間経過した時に示した温度は上記の通りでした。
その後しばらく様子を見ましたが、これ以上温度が上昇する事はありませんでした。
恐らく過剰防止システムが作動したのだと思います。
つまりこの気温が外部サーモ未使用時、暖突下部のケージ内温度という事になります。
ついでにこの時のケージ底面の表面温度も一緒に測ってみました。
底面の温度は約34.3℃となっていました。
次に「グラステラリウム3030で暖突Sを使用した場合」を検証してみます。
というのも、”暖突S”はメーカーの推奨するケージサイズが45㎝となっています。
メーカーの推奨するケージサイズよりも小型のケージで使用する場合、温度はどうなるのか調べてみたいと思います。
検証環境は先程とほぼ同じで下記画像の通りです。
番号こそ付けていませんが、先程同様に温度計は左から順に下部~上部へセンサーを設置しています。
今回は暖突稼働後、そのまま約1時間程放置して最大温度のみを測りました。
・・・約1時間後。
センサー下部=28.4℃、センサー中央部=29.7℃、センサー上部=30.4℃
こちらもその後しばらく様子を見ていたのですが、これが最大温度のようでした。
意外にも?メーカー推奨の「90ケージ+暖突L」よりかは適正ぽい温度になっています。
推奨ケージサイズよりも小型のケージに使用した事で、先程以上の温度上昇になるのでは?と予想していただけにこの結果は予想外でした。
結果から見て、どうやら暖突のSとLではかなりの火力差があるようですね。
以上が”暖突をサーモ無しで使用した場合”のケージ内温度の結果でした!
正直な感想を言うと、もっと温度がガンガン上がって50~60℃位まで行くんじゃないか?なんて思っていましたが、そうはならないようにちゃんと作られていました。
過剰防止システムが搭載されているのは間違いないようですね(´∀`;)
しかし検証結果を見るに、暖突下部のみとはいえ個人的には少し温度が高すぎるかなぁ~というのが本音です。
結論として、私は今後も外部サーモスタットを併用して暖突を使用していきたいと思います。
メーカー非推奨の使用方法ですので故障の原因になる可能性も高く、またメーカーの保障対象外となります。
しかし生体の事を考えると、やはり外部サーモスタットと併用するのがベストではないかと個人的には思います。
今回の検証記事は暖突と外部サーモスタットを併用する事を推奨するものではありません。また検証結果はあくまで私の環境で確認出来た記録になります。結果内容は目安程度に、サーモを併用するかどうかは各自の判断でお願い致します。
今回の検証が皆様のご参考に少しでもなれば幸いです!
では、また!
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