こんにちは、はえおーです。
デュビア繁殖を始めて早数年、最近ではヤフオク!での出品も多くなり、育て上げたデュビア達をお客様の元へお届けする日々が有難い事に続いております。
また、嬉しい事に落札頂いた方からデュビア繁殖に関するご質問を頂く機会も増えてきました。
半人前の拙い飼育知識ではありますが、精一杯お答えさせて頂きます!
様々なご質問を頂戴しているのですが、数ある質問の中でもこんなご質問を何度か頂いた事がありました。
飼育ケージは収納ケースを二段に重ねた物でないと、上手く飼育出来ないんでしょうか?
その方達は私のブログにて、「収納ケースを二段重ねたケージを勧めているのを拝見したが、重ねずにシングルで使用する事を考えている。そういうケージでは駄目なのか?」という事でした。
確かに私は過去記事にてケースを二段に重ねた自作ケージをお勧めしており、自分でもそれを主に使用してます。
しかしケースを重ねずに、収納ケースシングルのみで使用してるコロニーもいくつかあります。
収納ケースを重ねた自作ケージとそのままシングルで使用するケージ、具体的にどういう違いや特徴があるのか?
今回は自身の経験則から、分かる範囲でそんな疑問にお答えしてみようと思います。
これからデュビア飼育を始める方向けの内容ですが、既に飼育されてる方にも新たな発見があったりするかもしれません。
気になる方は是非立ち寄ってみて下さいね!
(※便宜上、二段重ねるタイプ=”ダブル”、重ねずに使用するタイプ=”シングル”とします)
シングルタイプの使用感
まずは”シングルタイプ”からです。
前提として通常収納ケースをケージ利用する際は、通気性を確保するために上蓋の一部を加工する必要があります。
上蓋に直接ドリル等で通気用の穴を開けたり、一部を切り抜いて網を貼ったりする事ですね。
”シングル”の場合、この上蓋の加工さえ解決すればすぐにケージとして使用する事が出来ます。
後は適当にレイアウトを済ませて、最後に生体を投入すればコロニー完成です。
やはりシングルタイプの一番の利点はこのお手軽さにあると思います。
必要最低限の加工が終わればすぐにでも使用できるのは、非常に楽で使い勝手が良かったです。
デュビアが予想以上に増えてしまっても気軽にコロニーを増設出来ます。
シングルタイプ使用時はラビットフードを適量敷き詰めるだけでもコロニーとして機能します。非常に手軽ですね!
また収納ケース自体大きく容量が多い割に安値な事もあり、既製品の昆虫ケースを買うよりも費用を安く抑える事が出来ます。
加工の道具や材料も100円ショップで揃えたり出来るので、トータル的にもそこまで費用は掛かりません。
”安くてお手軽”というのが”シングル”使用の一番のメリットだと言えます。
しかしその反面、生体投入後のメンテナンス性はあまり良くないです。
デュビアは大食漢で大量の糞をしますので、すぐにケージ内は糞だらけになります。
また成長する度に脱皮しますが、この脱皮殻もかなりのペースで溜まっていきます。
糞や殻は多少放置しても問題ありませんが、あまりに多くなるとケージ環境によっては悪影響が出てきます。
故に定期的な掃除が必要になってきますが、シングルタイプの場合この掃除が非常に面倒です。
それは生体が糞や抜け殻、死骸や食べ残し等のゴミと一緒くたになっているからです。
生体数が少ないのであれば目視で分ける事も可能ですが、サイズはバラバラで数も多いとなると”ふるい”でも使わないとまともに取分けが出来ません。
このメンテナンス性の低さがシングルタイプの一番のデメリットに感じました。
- あまり手間暇掛ける事無くすぐに用意・使用出来る。
- コストパフォーマンスが高い。
- メンテナンス性が悪い
ダブルタイプの使用感
次に”ダブルタイプ”です。
”ダブルタイプ”は上段の収納ケース下部を加工して使用するのが一般的です。
具体的には底面部分を切り抜き、代わりに糞が落ちる程度の網目を貼ります。
そうする事で糞は勝手に下段ケース内に落ちて自動的に糞が取り除かれていきます。
生体と糞を分けるのが前提ですので、糞よりも大きい抜け殻や死骸などはふるい分けされませんが、それらは糞に埋もれたりしないので目視で割と簡単に除去出来ます。
ダブルタイプの一番の利点はこのメンテナンス性の高さにあると思います。
それに重ねる事でケージの底面部分に空間が出来る為、ケージ内底面に余分な湿度がこもりにくくなります。
またそのケージの仕様上、糞が上部に溜まる事が無い為に水分を含んだ餌(野菜クズなど)と糞が一緒になる事がありません。
つまり糞に余分な水分が吸収される機会が少ないので、臭いやカビやダニの発生なんかもある程度抑えられ衛生的な環境を維持しやすいです。
メンテナンス性もさることながら、糞と餌が混ざらずケージ環境を衛生的に保てるのは非常に大きなメリットだと思います!
しかしそんな便利な”ダブルタイプ”にもいくつか欠点を感じます。
まずケースを重ねて使うので同じ収納ケースが”2つ必要”になります。
つまり”シングル”に比べて単純に2倍のコストが掛かってしまいます。
それに底面に張る網目状の素材を用意する必要があり、それは”糞は落ちるが生体が通る事が出来ないサイズの網目”でなければならず、何でも良いという訳にはいきません。
また、ケースの一つは”底面を切り抜く作業”と”網目の物を取り付ける作業”が必須で手間も結構掛かってくるので、個人的には結構面倒くさい作業だと感じました。
収納ケースの底面は上蓋よりも頑丈である事が多く、専用のカッターや工具が無いと加工するのが難しいです。また網を取り付ける際も、収納ケースは一般的な接着剤ではうまく接着出来ないのでこれも工夫が必要になります。
また糞や細かいゴミの溜まる下段部分は、夏場になるとコバエが卵を産み付けるに最適な温床になりやすいです。
その為、その時期はこまめに掃除しないと部屋中にコバエが飛び回る事になります。
- メンテナンス性が非常に良い。
- 衛生的な環境を保ちやすい。
- 作成に手間とコストが掛かる。
- 時期によってコバエが沸きやすい。
結局どっちがいいの?
”シングルタイプ”と”ダブルタイプ”。
それぞれメリット・デメリットがあり、一概にどっちが優れているかは言えないというのが個人的な感想です。
なのでこういった一長一短なものは状況に応じて使い分けるのがベストだと思います。
ちなみに私は産まれたてのベビーサイズはシングル、成長したサイズからダブルへ、という感じに使い分けをしています。
産まれて間もないデュビアは体長約0.5㎝程度で非常に小さい為、ダブルタイプの網目を糞と一緒にすり抜けてしまう事が多いです。
またデュビアは餌を与えるとサイズの大きい個体ほど優先的に餌を食べていく傾向がある為、小さいデュビアが十分餌にありつけてない無い場合が考えられます。
なので一旦ラビットフードを敷き詰めたシングルタイプで子デュビアを育て、網目を抜けられない程度まで育ったらダブルタイプへ振り分ける感じです。
ただ、最近はシングルタイプで育つ子デュビアを観察すると、個々の成長にムラが出るように感じる事が多くなった為、子デュビア専用のダブルタイプも今後は検討していきたいと思っています。
以上がシングル、ダブル両方を実際使用している上での個人的な感想になります。
普段餌としてストックするだけなら”シングルタイプ”で十分だと思いますし、本格的に飼育・繁殖を目指すなら”ダブルタイプ”が有用かなと感じました。
あくまで個人的な所感ですし、飼育環境によってまた違った感想もあると思います。
半人前ブリーダーの一意見だと思って参考にしてもらえれば幸いです。
それぞれに特徴ある2つのケージタイプですが、自身の環境に合ったタイプを選んでみて下さいね。
では、また。
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