野生採集個体(WC)の飼育は難しい?野生のシマヘビ飼育中の自分が答えます

シマヘビ カラスヘビ

こんにちは、はえおーです。

 

去年3月末に用水路にて捕獲(救出?)したシマヘビ、”シマじろう”。

時が経つのは早いもので、我が家に迎えて早1年程が経ちました。

 

 

何気に野外採集した爬虫類の飼育というのはこの子が初で、今までCB個体のヘビの飼育経験はあるものの、WC個体のヘビを飼育した事はありませんでした。

 

一般的にWC個体というのは人慣れしづらく、また傷を負っていたり寄生虫やダニを宿している事が多いのもあり、総じて扱いが難しいとされています。

 

飼育を始めてまだ1年程ではありますが、今回はそんなWC個体を実際飼育してみた上での所感なんかを書いてみたいと思います。

WC個体の飼育に興味がある方は是非参考にしてみて下さいね!

 

スポンサーリンク

野生採集個体(Wild Caught)について

 

まず所感の前に”WC個体”というものについて簡単に整理しておきたいと思います。

”WC”とは”Wild Caught”の略称で、主に野外で採集された個体を指します。

 

要はヒトによって養殖・繁殖された個体では無い天然の生体の事です。

そういった個体群の総称をエキゾチックアニマル界隈ではWC個体と呼称されています。

爬虫類ショップで販売されているWC個体というのがこれに当てはまりますね。

 

ただここで誤解しないで欲しいのですが、今回自分が飼育経験したWC個体とショップで販売されているWC個体とでは、同じWC個体同士と言えども”似て非なる部分”があります。

 

それは販売されているWC個体というのは店頭に並ぶ前に、ショップ側の配慮によってペットとしてある程度飼い慣らされていたり、冷凍マウスへの餌付けが済ませてあったりと、所謂トリートメントが為されている事があります。

要は販売後に出来る限り飼育トラブルに見舞われないよう、大変な立ち上げ作業を並行、または済ませて販売している訳ですね。

 

しかし今回お話する経験則は完全に野外で採集したそのままの個体になります。

つまりショップの方達が普段WC個体に行うトリートメント作業部分を含めた所感になります。

その為、販売されているWC個体全般に当てはまる経験則では無い事をご理解された上でご参考頂けると幸いです。

 

はえおー
はえおー

どこまでトリートメント処理されているかはお店によりけりですが、大変な作業をこなしているショップ店員さん達には頭が下がる思いです。

 

スポンサーリンク

WC個体の飼育は難しい?

 

さて、前置きが長くなりましたが先に結論から言います。

 

個体差もありますが、WC個体の飼育は難易度が高く難しいと思った方がいいと思います。

 

その思う理由は以下の3点からになります。

  1. 冷凍餌への餌付けが大変。
  2. ケガや病気持ちの可能性がある。
  3. CB個体では無いような事が起こる。

 

それぞれ経験則に基づいて説明しますね。

 

餌付けが大変

 

これはヘビ且つ、食性の広い”シマヘビ”だからこそなのかもしれませんが、とにかく冷凍マウスへ餌付けるのに相当苦労しました

 

捕獲したシマじろうは初期の頃に気まぐれ?でピンクマウスを口にしたものの、それ以降はマウスに見向きもせず”生きたニホンアマガエル”以外を食べようとしませんでした。

動かない餌(冷凍餌全般)は全くダメ、アマガエル以外(アフリカツメガエルやタゴガエル等)のカエルはダメ、ヤモリもオタマジャクシもダメと、とにかく食性が偏ってました。

田んぼで捕獲した活カエルをメインに、それの匂い付けしたピンクマウスをカエルに似た動きで誘ってみたり、カエル本体にマウスを重ねてみたりと色々試行錯誤しながら餌付けを試みましたが、捕獲して半年以上経ってもマウスに餌付く気配はありませんでした

 

そんなこんなで最終的にしっかり餌付いてくれたのは秋も終わりが見えてきた11月を迎えた時期です。(捕獲したのは3月なので約8ヵ月後)

カエルの鳴き声もほとんど聞こえなくなり餌の確保が深刻になってきた時、ようやく冷凍マウスを常食するようになったのです。

努力が実が結んだのか、はたまた運が良かっただけなのか不明ですが、もしあのまま食べ続けなかったら飼育続行不可能だったと思います。

 

※今でこそ冷凍マウスに興味深々ですがここまでくるのに苦労しました。。

 

ケガや病気による影響

 

また餌付け以外にもWC個体ならではのトラブルがありました。

それは野生下で負った病気やケガです。

 

この子は頭と右顎付近にケガと病気?痕のようなものがあります。

それが原因なのか分かりませんが、他のヘビと比べて捕食が下手なんですよね。

具体的には口を大きく開けるのが苦手なようで、頭よりも大きな餌が呑み込めずに途中で吐き出してしまうんです。

 

その為、餌はピンクマウスの最小サイズしか未だにうまく呑み込めずにいます。

ケガなどの古傷が上記に起因してるか不明ですが、全く無関係でもない気がします。

 

※下顎部分の傷のような物。脱皮不全にも見えます。

 

なぜか脱皮しない

 

そして現在進行形で一番不可解なのが脱皮です。

 

餌を食べるのに多少難儀はしているものの、食欲は非常に旺盛でさすがシマヘビといった感じなのですが、飼育初期の脱皮以来これまで一度も脱皮していません

通常ヘビは成長と共に脱皮を繰り返して大きくなっていきます。

特に餌を食べる幼少期などは成長が早く、それにつれ脱皮サイクルも多かったりするんですが、その脱皮が全く行われないのです。

 

糞の様子を調べてもしっかりと消化はされているようで、餌を食べる頻度を考えればこれまで複数回脱皮してもおかしくないのですが未だに脱皮していません。

今後これがどう影響していくか分かりませんが、今は一番の不安要素になっています。

 

【追記:2022/5/9】上記症状につきまして、おおよその原因が判明しました。

WC個体ならではの理由となります。詳しくは下記記事をご参考下さい。

 

スポンサーリンク

WC個体飼育には覚悟をもって

※1年前に比べて大分慣れてくれました。

 

このブログの過去記事を見て頂いた方ならご存じかと思いますが、私はこのシマヘビ以前に”カラスヘビ”というシマヘビの黒化個体を飼育していました。

その個体はCBでありながらマウスへの餌付けが済んでいない状態で迎えた為、当時も同じように苦心していた記憶があります。

 

しかしその経験があったからこそ、今回は何とか餌付け成功までこぎつけるだけの精神力が保てたと思っています。

正直これが初ヘビだったら途中で心が折れてたんじゃないでしょうか。

 

そういった意味でも、その種の飼育に慣れていない方にはWC個体はおすすめ出来ないというのが私の考えになります。

 

SNSや動画等を拝見してると、WC個体でも最初からすんなり冷凍・人口餌に餌付いたり、非常に人慣れする個体も居るようです。

しかしやはりWC個体ならではの神経質な個体も多く、特に迎えた初期は相応に苦労するのがほとんどだと思います。

 

WC個体の飼育を検討する際は、全く慣れない・偏食が直らない等の可能性なんかもしっかり想定した上で、それでも長期飼育出来る環境かどうかをよく考慮して臨んだ方が良いと思います。

 

以上、実際WC個体を飼育した上での経験則に基づいた所感でした!

少しでも参考になれば幸いです!

では、また。

コメント

タイトルとURLをコピーしました