こんにちは、はえおーです。
今回はデュビア繁殖を行う上での、パネルヒーターの必要性を考察したいと思います。
最近デュビアを管理していると、パネルヒーターを使用しているコロニーとそうでないコロニーとで大きな違いが目に付くようになりました。
結論から言って、私はデュビア繁殖においてパネルヒーターは必須に近いと感じています。
このブログの過去の繁殖記事を参考にされている方は、是非立ち寄ってみて下さい。
なぜ底面ヒーターが必要?
底面ヒーターがデュビア飼育に効果的な主な理由は次の2点です。
- ケージ内温度が高まる事によりデュビアの代謝・成長を促進する。
- 底面から暖めることにより余分な水分を素早く蒸発させてくれる。
どちらも当たり前の様ですが、デュビア繁殖飼育に於いてはかなり重要な2点です。
なのでもう少し嚙み砕いて説明してみたいと思います。
デュビアの成長を促進する
デュビアは昆虫であり変温動物ですので、温度の影響は代謝や餌食いなどに直結します。
体温が上がれば代謝も上がり、それに伴い餌食いも良くなり成長スピードも早まります。
現在は飼育部屋全体をエアコンで温度管理していますが、その他に個別でパネルヒーターを使用したコロニーの方が使用していないコロニーに比べデュビアの成長が早めです。
ケージの種類によっては他の保温器具を使用する事も可能ですが、
コストや安全面、後述の水分蒸発の事考えるとパネルヒーターが保温器具として適任だと感じます。
余分な水分の蒸発を促す
前述の成長促進よりもこちらの理由が本命だったりします。
ここでいう余分な水分とは、”水分を含んだ糞”や”その湿気を吸った卵パック”、”死んで間もないデュビアの死骸”などです。
デュビアは餌もそうですが、
水分が足りないと頻繁に脱皮したての柔らかいデュビアを齧るようになります。
観察している限りでは腹を満たす行動というよりも、水分を求め齧った後に出てくる体液を吸っているように感じます。
私は折角大きく育ったデュビアの羽根が食いちぎられていたり、
水分不足によって変形するのが嫌なので、十分な水分を含ませた餌を常時与えています。
しかし以前記事にもしましたが、水分の多い餌を食べたデュビアは水っぽい糞をします。
これをそのまま放置しておくとケージ内の湿度は一気に高まり、
高湿度に弱いデュビアに悪影響が及びます。
湿気を吸った卵パックはカビやすくなります。
また湿気を含んだ為にへたれてしまいシェルターとしての役割を十分に果たせなくなったりします。
そして一番怖いのがそれらの影響によって死んでしまったデュビアの死骸です。
体液の少ない(しっかり水分の摂れていない)死骸であればそれほど大きな問題になり辛いです。
しかし水分量の多い死骸は他の個体にかなりの悪影響を与えます。
原因ははっきりとは分かりませんが、
死骸の近くのデュビアが次々と連鎖するように死んでいく現象を引き起こすきっかけになります。
一度この現象が始まると単に湿度が高くなっただけではそう簡単に死なないデュビアも、
病気のようにどんどん死んでいきます。
この影響で一度弱ってしまった個体はほぼ確実にその後死にます。
そしてその死骸がまた周りのデュビアに悪影響をもたらすという最悪のループが出来上がります。
また水分の多い死骸は非常に強い悪臭を放つ為、飼育部屋が臭くなりコバエを大量に引き寄せます。
コバエは死んだデュビアや湿った糞に卵を植え付け大量に孵化し、
コロニー内の環境をさらに不衛生なものとなります。
このような状態になるとコロニー内のほとんどの個体が死んでしまう事もあり、
繁殖どころか全崩壊しかねる状況になります。
しかし底面パネルヒーターを使用すればこういった事態を出来る限り防ぐ事に繋がります。
底面から熱が伝わり下部に溜まった糞や死骸はその熱で水分が早く蒸発、乾いてくれます。
先にも書きましたが、カラカラに乾いた死骸は多少臭いこそするものの、
周りのデュビアへ大きな悪影響を引き起こす事はこれまでの経験上少ないです。
またその際一時的にケージ内の湿度は高まりますが、健康個体であれば影響はほとんどありません。
むしろ熱で温まった空気がケージ上部へ向かっていく事で、ケージ内で空気循環が起き余分な湿度を逃がしてくれます。
それに湿った環境で無ければコバエが卵を産み付ける事もほとんどありません。
総じてパネルヒーターの使用はメリットが非常に大きいと言えると思います。
ただし底面ヒーターを使用しても普段与えている水分量や環境に左右されるので、
確実に上記の様な大量死を防げる訳ではありません。
しかしそのリスクを確実に少なくする事へ繋がると思っています。
必ず底面ヒーターを使用した方が良い?
パネルヒーターの重要性は上記の通りです。
繁殖飼育を目指すのであれば出来るだけパネルヒーターの使用を検討したいところです。
では必ずパネルヒーターを使用すればいいのかというと、そうではない場合があります。
それは繁殖目的では無い場合です。
維持飼育の場合
繁殖目的では無く餌用としてデュビアをストックしているだけなのであれば、
底面ヒーターを使用するメリットは薄くなり、場合によってはデメリットになり得ます。
それは必要以上に代謝が上がる為、どんどん成長してしまう事に繋がるからです。
飼育生体サイズに合わせストックしている場合、サイズが生体の餌として見合わなくなる可能性があります。
また成虫であれば死ぬのを早める事にも繋がりかねません。
基本的に生餌として与える以上、デュビアの死骸が放置される状況も生まれにくい事でしょう。
このようにデュビアを餌として維持するのが目的の場合、底面ヒーターを使用するかどうかは保温環境を考慮した上で決めた方が良いと思います。
という訳で、今回は”デュビア繁殖に於ける底面ヒーターの必要性について自身の経験から考察”してみました。
どういったケージ環境で飼育しているかに左右される部分も大きいので、
一概に”底面ヒーターがデュビア繁殖において必須である”とは言いきれません。
しかし少なくとも私の飼育環境を参考にされている方は十分お気を付け下さい。
もし底面ヒーター未使用で過度の湿度や原因不明の大量死が起きてるようなら、
底面ヒーターの使用を一度ご検討頂いた方が良いかもしれません。
少しでも自身の経験が皆さんのご参考になれば幸いです。
では、また!
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