こんにちは、はえおーです。
私事なのですが、少し前に成虫デュビアの大量死が起きちゃいまして、そこから持ち直すのにてんやわんやで中々ブログ更新が出来ずにおりました(`-д-;)
幸いな事にここ最近は斃死も多少は落ち着きを見せてくれて、何とか平常運転に戻せるかどうかといったところです。
さてこの度久々に大量死を引き起こしてしまった訳ですが、その時ふと感じたのは斃死したデュビアの内、”雌個体には外見的特徴に共通している部分がある”という点です。
もちろん全ての斃死個体に当てはまる特徴ではないし直接的な死因はまた別にあると考えているのですが、そういった悪影響を受けやすい弱い個体群ではあるのかな、と思った訳でして。
そこで今回は”どういった個体が死にやすいのか”を経験則よりお話したいと思います。
毎度の事ながらあくまで私個人の経験・所感によるものであり、ちゃんとしたデータやエビデンスに基づくものではありません。
なもんで「そんな可能性もあるんかいな?」程度に見てもらえると幸いです。
ではいきます!
死にやすい雌個体の特徴
それでは私の経験則から”死にやすい雌個体の特徴”をいくつか挙げていきたいと思います。
自分の体感した短命な♀デュビアの主な特徴は次の3点です。
- 体色が薄く柔らかい
- 体型がひし形やひょうたん形をしている
- サイズが大きくならず小さいまま
上記特徴が一つだけ見られる個体も居れば、複数持っている個体も見かけます。
当然、複数の特徴を持つ個体ほどより短命である事がほとんどです。
ではそれぞれの特徴について一つ一つ画像と一緒に見ていきたいと思います。
①色素が薄く柔らかい
上記画像の様に通常の個体に比べて色素が薄かったり全体的に黒みに欠ける個体です。
このような個体の最大の特徴として体全体が通常よりも柔らかい事が挙げられます。
実際個体に触れると分かりますが、本来キチン質で硬いはずの箇所もへなへなっと柔らかい状態が多いです。
またこれはどちらかというと雌よりも雄に多く見られる特徴になります。
このタイプの個体はその柔らかさ故か他の個体に齧られた痕を持ってる事が多く、天寿を全うする前にその傷が原因で死んでいく事がめっちゃ多いです。
その為、自身の持つ内的要因が原因で死ぬというよりかは、他の個体に襲われるなどの外的要因が理由で短命になっているように感じます。
②体型がひし形orひょうたん形
上の様に体形がひし形のようなひょうたんのような、ずんぐりした体型をしている雌個体です。
この手の雌個体の特徴は、成虫へ変態しても通常個体と比べて比較的小型なまま成長が止まりやすい事が挙げられます。
健康体と比べて食が細いのか、はたまた栄養分をちゃんと吸収出来ていないのか、なんなら積極的に餌を食べようとしない個体も居たりと大半は身体に太さが出ずに扁平である事が多いです。
結果短命で終わる個体が多く、生殖行動を行い卵鞘を体外に一旦出す段階までいくものの、再度卵鞘を体内に収めるのに失敗したりと上手く産卵まで行かないケースもよく見受けられます。
正確に測った訳ではありませんが、体感成虫に変態してもおよそ約1ヵ月半~2ヵ月程度で斃死している印象です。
また恐らく一般的に呼ばれている「扁平デュビア」というのはこのグループの事を指していると思われます。
経験上、斃死している個体の中で最も多いのがこの特徴を持った個体群です。
③サイズが妙に小さい
成虫まで成長したものの、他の個体と比べ明らかに小型な個体です。
それほど多く見かける事はありませんが、ちょろちょろ出てくる感じの特徴になります。
一般的な雌個体であれば成虫変態後もサイズアップは続き、おおよそ全長3.5~4㎝程度の大きさまで成長するのですが、このような個体は3㎝未満程度で成長がストップします。
前述したひし形・ひょうたん型の個体にもよく見られる現象で、その手の個体はこちらの特徴も併せ持っている率が高いです。
この”サイズが大きくならない”という特徴を持った個体はまともに繁殖活動する事無くすぐ死ぬ事がほとんどで、前述した特徴の中でも一番斃死率が高い特徴になります。
また雄の成虫個体でもこの特徴を持つ個体を見かける事がありますが、なぜか雌個体の方が圧倒的に多く見られる特徴でもあります。
不良個体が生まれる理由
以上が個人的に感じた、”死にやすい雌個体の持つ特徴3選”になります。
各説明でも触れましたが①はともかく②・③の斃死率はかなり高めで、特に③に関しては見つけてから早い内にほぼ確実に死んでしまいます。。。
こういった特徴を持つ個体が産まれる原因の一つに遺伝があると思います。
”体表が柔らかい”、”成長が途中で止まる”、などの特徴は種親同士による劣勢遺伝が色濃く出た結果ではないかなぁと。
なもんで今までこういった特徴を持つ個体を見ても、全て遺伝によるものとして片づけて深く考えてこなかったのですが、最近どうもそれだけが原因ではないような気がしてるんですよねぇ…
というのも、こういった特徴をもった個体が多く見られるコロニーもあれば、これらの特徴がほとんど見られない個体群ばかりで構成されてるコロニーもあったりするからです。(-_- ;
いや単にその後者のコロニー内では受け継がれてる種親の遺伝子が優秀なだけで、劣勢種が産まれにくい環境なんじゃないの?
と思われるかもしれませんが、自分は各コロニーで産まれた仔デュビアをそのまま同じコロニー内で育てている訳ではないんです。
管理ステップを簡単にご紹介すると、
- まず一度全コロニーから産まれた全ての仔デュビアを回収
- 回収個体を仔デュビア専用ケージ内で変態直前サイズまで育成
- サイズ・状態共に優良な個体から再度各コロニーへ振り分け
おおよそこんな感じです。
つまり劣勢の特徴を多く持つコロニーから産まれた個体もそうでない個体も一度一緒くたにして選別などせず再度振り分けているので、遺伝のみが原因なら各コロニー内で大きな特徴差が出る事はあまりないはずなんです。
にも関わらず各コロニー内に於いて特徴差が激しく出るのには、単に遺伝などの内部的な要因のみで起こるものでは無く、環境など外部的な要因からもこれらの特徴が生じる理由があるのではないか、と思えるのです。
影響を与える外的要因とは?
ではその原因となる外的要因とはなんなのか?についてですが、残念ながら今現在でもその要因は特定出来ていません。(;_ _)՞՞スミマセン
ただあくまで憶測の範囲内ですが、もしかすると「成長期の栄養不足・若しくはそれに近しい状態が続く事」が要因になる得るのではないか、と思い始めております。
例えば上記を今回の件に当てはめて考えてみた場合、恐らくコロニー内の温度が生育に影響した可能性がありそうでした。
というのも先程お話した、良くない特徴を多く持つ個体群のコロニーと(便宜上Aとします)、そうでない個体群のコロニー(便宜上Bとします)には共通点があり、よくよく調べてみると”Aコロニーはより地面に近い低い位置”に、逆にそうでない”Bコロニーは棚上部の高い位置”に配置してました。
低い位置に配置されているAコロニー内の温度は総じて低めであり、高い位置に配置されていたBコロニーは高めの温度を維持していたと思われます。
これは経験則ですが、温度はデュビアの成長に大きく影響し、特に温度が著しく下がる冬季は餌食いや生殖行動などが低下します。
常時エアコンで温度管理、サーキュレーターで部屋内空気を循環させていても床付近と天井付近とではどうしても温度差が生まれます。
その温度の差がAコロニー内に居る個体の成長を阻害したのではないかと。
つまり結論から言って、今回一部のコロニー内に於いて不良特徴が多く発症した可能性として、”温度管理が適切でなかった為に個体の代謝・餌食いが落ち、成長期に必要な栄養分を十分摂取出来なかった”のが原因だったのかもしれません。
そんなわけで今回は、「死にやすい雌デュビアの特徴とその要因となる可能性について」自身の経験談から考察してみました。
まぁ、あくまで先日起きた大量死状況からのみ考えた憶測に過ぎないので、全ての事柄に当てはまるものでは無いとは思いますが、慢性的な栄養不足からはご紹介したような特徴が発症しやすいように思えます。
今思い返せば、以前デュビアを繁殖目的でお買い上げ頂いたお客さんから、
成虫まで成長したのだけれど小ぶりな個体ばかりであまり大きくならない。何故だろうか?
という旨の相談を受けた事がありました。
聞いたところによると保管場所はアロワナ水槽近くで温度は一定に保たれているものの、餌は料理した際に出る野菜クズがメインでたまに余った熱帯魚用フードを与える程度との事でした。
この例はもしかすると与えている餌自体に成長に必要な栄養分(若しくは水分)が足りて無かったのかもしれませんね。
ちなみに、一時的な栄養不足程度なら毎回このような特徴が必ず出てくる訳ではないようです。
というのも特徴が発症する要因を探る為に今回色々な事を試したのですが、その中に下記の様な仮説の下とある実験を行いました。
↓
【仮説】
「成虫変体後に一定期間エサを摂らずにいると体全体が硬くなり餌を十分に蓄えられない身体になるではないか?」
これはどういう事かというと、デュビアは脱皮直後は体表が白く柔らかいと同時に平たく扁平になるのですが、その後時間経過と共に色素は戻っていき体表も元の様に硬くなっていきます。
この硬くなっていく途中経過中に体内に餌が無い状態が続くと、その体内構造がデフォとなって餌を収めるスペースの少ない扁平な身体になるではないか?という仮定を立ててみた訳です。
まず実験の準備として成虫へ脱皮して間もないと見られる雌個体を何匹が確保。
その後2つのグループに分けてから、片方のグループには毎日餌を与え、もう片方のグループには色素がある程度戻った後に1週間程断食してから餌を与えてみました。
それから約2週間後の結果はというと、
見ての通り、1週間断食してから餌を与えたグループも毎日餌を食べてたグループ同様にちゃんとした長太い体型に戻っていきました。
もしかしたら「このまま小型且つ、扁平体型のままになってしまうんじゃないか…?」なんて予想してた訳ですが、そこまで単純な話でも無かったようでして(・∀・;)
┌(┌ ゚Д゚)┐<アタリマエダタワケッ!! (^ω^ꐦ)ビキ
この結果から個体差はあるかもしれませんが、多少の期間餌を摂取せずともその後ちゃんと餌を食べていれば普通に成長していく可能性が高い事が分かりました。
もし皆さんの育てているデュビア全体が小ぶりだったり、今回ご紹介した特徴が多く見られるようであれば何かしらが理由で栄養が慢性的に足りてないのかもしれません。
- 適切な温度は保たれているか?
- 栄養価の高い餌を与えているか?
- 水分は足りているか?
- 脱皮直後の個体が食べられてばかりいないか?
等々、その場合は様々な理由やサインがあるかもしれませんので色々探ってみるのもアリかと思います。
最悪大量死に繋がりかねない予兆でもありますので気を付けていきたいとこですね。
ちなみに温度高めなコロニー内でも不良特徴を持つ雌個体を一定数確認してます。やはり遺伝等による内部的要因も成長に大きく影響してると思われます。
憶測による考察記事ではありますが、ここまで読んでくれた方に感謝します!
では、また!
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